生きものに優しいガーデニング

カントリーサイド

1.ハリネズミの小道をつくろう!

ガーデニングの国、イギリスで提案されている〝生きものに優しい庭づくり”
ハリネズミやカエルが移動できる通路を作ったり、ネズミや昆虫のために芝生をわざと刈り残したり。
様々な生物がすめる〝生物多様性を守る庭”といってもよいかもしれません。
RSPB(英国鳥類保護協会)によると、ハリネズミは、夜、食べ物や仲間を探すのに1マイル(1.6㎞)かそれ以上も歩かなければならないのだそうです。
私たちの庭は、高い壁で囲われた箱のようなもの。でも、安全な道を庭から庭へ通すことで、生きものたちを助けることができます。
生きものたちの道を作るのに最適なのは、葉が落ちる冬。
RSPB(英国鳥類保護協会)が提案する〝生きものが移動できる道づくり”をご紹介します。

必要なもの:ワイヤーカッター、鉛筆、ノコギリ、ドリル、くわ、植物

1.まず、ハリネズミやカエルの気持ちになって庭を歩いてみる。
 歩き回りやすいか、出ていきやすいか。フェンスや壁などの障害がないか。
 天敵に見つかった時に、渡れないような場所はないか。

2.壁に穴をあけて通路をつくる
 隣の家に了解をとって始めましょう。
 鉛筆で地面の際から壁にアーチ型の穴を描き、ドリルで穴をあけ、ノコギリで切り取ります。
 (ハリネズミサイズ:高さ12㎝×幅15㎝ カエルサイズ:高さ6㎝×8㎝)
 注意;交通量の多い道につながないように!
 穴の近くに、高さのある草や草本を植えます。

3.芝生を長めにする(刈り残した部分をつくる)
 ハタネズミ、トガリネズミ、カエル、ヒキガエル、甲虫類、ハリネズミは、開けたところよりも草丈の長いところを好みます。

4.つる植物を植える
 庭の壁面につる植物をはわせて、生きものたちのハシゴをつくりましょう。

5.いろいろな高さの木を植える
 生きものたちの道は、地面だけでなく、空中に作ることもできます。
 いろいろな高さの木を混ぜて植えて、生きものたちの階段をつくりましょう。
 フェンスを生垣に代えると、なお良いでしょう。
 生垣は、生きものにとって安全な通路になるとともに、食べ物として種や実を提供し、巣作りの場所にもなります。

6.完成したら、生きものたちがこの道を使って庭を出入りする様子を観察しましょう。

RSPBでは、このほかにも、英国内で減少が心配されるハリネズミをテーマに〝庭にハリネズミカフェを作ろう”〝ハリネズミに家を提供しよう”など、生きものに配慮した庭づくりを進めています。このブログでも、順次、紹介していきたいと思います。

*ブログ中の写真は、RSPBより転載しました


●庭と庭を生きものが移動できるような、道をつくろう!

Create Nature highways and byways

2.庭にハリネズミカフェをつくろう!

ガーデニングの国、イギリスで提案されている〝生きものに優しい庭づくり”。

第二弾は、ハリネズミの食事場所づくり。

イギリス国内のハリネズミの個体数は、危機的に減少しています。
ハリネズミを助ける一つの方法として、RSPB(英国鳥類保護協会)は、庭に〝ハリネズミカフェ(餌場と水場)”を作ることを提案しています。

ハリネズミに餌を与えることで、彼らが子供を育てたり冬を越すのに十分なエネルギーを提供するのが目的です。

ハリネズミカフェづくりは、ハリネズミがぐっすり眠っている冬でなければ、いつでも始められるのだそうです。

残念ながら野生のハリネズミは日本では見られないため、日本の庭にハリネズミカフェを作ることはできませんが、英国の人々の、庭にくる小さな生きものを愛し大切に思う気持ちは共有できるのではないでしょうか。

必要なもの:
浅い皿、水、ヒマワリの種、乾燥したミルワーム、砕いたナッツ(塩が入っていないもの)
キャットフードやドッグフード(魚や牛肉がベースでないもの)
ネコ用ビスケットを砕いたもの、 ポテト、ミンスミート、ふたのあるプラスチックか木の箱
ナイフ、ノコギリ、ダクトテープ、レンガ、新聞紙

①静かで安全な場所を選ぶ

②取り外せるふたがついた、木かプラスチック製のがんじょうな箱で、ハリネズミが入るのに十分な大きさがあり、ネコやキツネは入れな  
 いものを用意する。

③箱にハリネズミが入れる大きさの穴(13㎝×13㎝)をあけ、ハリネズミを傷つけないように切り口にダクトテープを貼る。
 中に新聞紙と葉を入れる(ハリネズミはオークやカバノキ、ハシバミなどの小さな葉を好みます)

④日が沈んだら、浅めのお皿に食べ物と水を入れ、箱の中にセットする。
 *食べ残しが出ないよう、エサは少ない量から始め、入れすぎないようにしましょう。
  ハリネズミがやってくるようになったら、エサのバリエーションを増やしましょう。
 *ミルクやパンは与えないこと!(消化できず、お腹をこわしてしまうため)

⑤箱の上にふたを置き、レンガ1~2個を乗せる(キツネに箱をひっくり返されたり持ち去られたりしないように)

⑥毎朝食べ残しのエサを掃除し、毎晩エサを補充する
 *もし、ハリネズミ以外の生き物がエサを食べている場合は、すぐに給餌をやめましょう

⑦日が沈んだら、静かにハリネズミがやってくるのを観察しましょう

3.庭に小さな池をつくろう!

ガーデニングの国、イギリスで提案されている〝生きものに優しい庭づくり”。

庭にちょっとした水辺をつくるだけで、おどろくほどたくさんの生きものたちのすみかになります。

材料は使い古しの容器で十分。

カエルやイモリ、アメンボに様々なトンボ。

小鳥たちも水浴びにやってくるかもしれません。

春は庭に小さな池を作るのにちょうどよい季節。

RSPB(英国鳥類保護協会)が提案する、生きもののための水辺づくりをご紹介します。

※必要なもの:水を入れられる大きめの容器(コンテナ)、砂利、岩、水生植物

①大きめの、水が入れられる容器を探しましょう。
 食器洗い用のボウル(ウォッシングアップボウル)、キッチンのシンク、樽など。
 大きな植木鉢のような、耐水性でないものを使う場合は、水がもれないようにライナーを敷きましょう。

②場所を選び、容器を設置する
 日当たりが良いけれど、直射日光が当たり続けない所を選びます。
 容器は地中に埋めてもよいでしょう。容器と地面を同じ高さにすることで、より多くの生きものが出入りできます。
 *小さな子供が落ちないように、安全な場所に設置しましょう。

③生きものが出入りできるように、レンガや木で階段をつくりましょう。
 *ハリネズミなどが落ちないようにすることも、重要です。

④容器に水抜き穴がある場合はそれをふさぎ、砂利を入れましょう。
 生きものが出入りできるよう、容器の内側にも木や石で階段を作ります。
 *土を入れると富栄養化して緑藻類が繁茂するので、使用しないように。

⑤水をためる
 可能なら、雨水を利用しましょう。

⑥水生植物を植える
 水生植物や水草により池の水質がきれいに保たれます。
 在来の植物を使いましょう。

⑦初めの数か月は、池の水面が藻で覆われるかもしれませんが、棒などで取り除きましょう。
 そのうち、池に集まる生きものたちが水をきれいにしてくれるようになります。
 暑い日には、水を足しましょう。

⑧どんな生きものがやってくるか、観察しましょう。

●庭に小さな池をつくろう! Create a mini-pond
 

*ブログ中の写真は、RSPBより転載しました

4. ワイルドライフガーデナーDaveさんの庭

ガーデニングの国、イギリスで提案されている〝生きものに優しい庭づくり”。

ワイルドライフ・ガーデナーのDave Braddockさんは、伝統的なイングリッシュ・ガーデンを自然豊かな庭に変えるために様々な工夫を凝らしています。

幼い頃から自然が好きで、カントリーサイドの鳥や虫たちと触れ合ってきたDaveさん。

これまでの美しいけれど面白味に欠ける庭を、ネイチャーリザーブ(Nature reserve イギリスの自然保護区。野生動物を保護するとともに、自然とのふれあいの場にもなっている)のようにしたい、と考えました。

英国内で減少しているハリネズミの巣箱を作ったり、イエスズメ(House Sparrow)や、ホシムクドリ(Starling)のために巣箱をかけたり、エサ台を置いたり。

枯れた木くずを集めて、クワガタムシのすみかまで作ってしまいました。

ラズベリーを植えたところ、初めの年はまったく実りませんでした。

Daveさんの庭には、ハチがいなかったのです。

そこで、ハチの巣箱(Bee box)を置いたら、ハチが受粉を助けてくれたおかげでラズベリーが豊かに実り、美味しいラズベリー・クランブル(お菓子)を食べることができたそうです。

RSPB(英国鳥類保護協会)は、Daveさんの庭づくりのように、どんなに小さなことでも、自然や野生動物のためにできることを実行していこう、と呼びかけています。

RSPB会長のKate Humbleさんも、庭にハチの食べ物になるような花を植えたり、池を作ったり、巣箱をかけたりしているのだそうです。

「花粉が多い花(在来のもの)を植えることで、多くの虫たちの食物になると同時に、私はハチミツを得ることができたんですよ。」

もう一つのポイントは「あまり手入れをしないで放っておく」。

「庭仕事を怠けているのではなくて、枯れた木や落ち葉をそのままにしておくことで、生きもののすみかを作っているんですよ。」

ガーデニングが楽しくなる季節。
日本とイギリスでは、庭や植物、すんでいる生きものは違いますが「人が見て美しいだけでなく、鳥や虫、カエルなど、野生の生きものも暮らせるような庭にする」という発想は、日本の庭づくりにも取り入れられるのではないでしょうか。

Dave Braddockさんの庭づくり:RSPBのホームページより

写真はRSPBより転載しました

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