誇らしさ とてもゆっくりな絵描き

ハナさんのブログより

(大きな変遷、とてもゆっくりな、しずかな、かたい決心の絵)

ようやく穏やかな大きな絵が描き終わりました!

2025年5月初めに最初のえんぴつを紙に置き、クリスマス前に最後の線を描きました。

8か月のプロセスは、ここで20分、あそこで30分といった物語があり、わたしがこれまでに描いてきた鉛筆画の中で最も満足のいく作品に仕上がりました。

実際に見た光景は、3年前の11月になります。

わたしたちは大変な1週間を過ごしていました。

息子はそのとき3歳。ひどい風邪をひき、赤ちゃんだった娘もかかっていました。

その日は、息子の体調が良くなった日でした(娘はまだ熱で抱っこひものなかで寝込んでいたのを覚えています)

土曜日、11月にしては妙に暖かい日でした。コートではなく、ジャンパーを着て、ブーツをはき、散歩に出かけました。

息子は、病後のある種の高揚感にひたっているようでした。喜びの感情がたかぶり、わたしまでうれしくなるほど、とても陽気でした。

そして、くりかえし落ち葉を頭にかけて欲しいと言い、笑っていました。

わたしたちは、カワセミ・コーナーを歩いていました。(カワセミは見たことはないけれど、カワガラスや大きな魚が飛び跳ねているところを見たことはあります)

毒キノコのようにアイシングされた小さなパン(赤いアイシングにホワイトチョコレートのボタン付き)とコーヒー入りの水筒を持って。

100%ハッピーだったのを覚えています。

娘が赤ちゃんだったころは、おなかがはじけるような小さな幸せ、まあいい感じに胃潰瘍が破裂するような、我慢できないほど気持ちが良いものでした。

息子の無鉄砲なエネルギー、すてきな小っちゃなピクニック、紅葉、カワガラス、胸の中で眠るふわふわな髪とミルクの匂いのかわいい娘。

宇宙のような無限のすばらしきかな幸せ

わたしが、小道の先を行く息子の方をちらりと振り返ると、やさしいピンク色に染まる夕焼けを背に誇らしげに見えました。

苦しかった風邪を克服し、活力を取り戻した、無敵の3歳の森の王様のようでした。

その瞬間、この日のことを描こうと確信していました。

実際に描き始めるまでに2年半かかりました。

ハナ・ランド(私の仕事場)では、基本的な仕事、ウォーキングのスピード、タイピング、特に描くことについては、すばやくやるということはありません。

スケッチブックには手早く描く余白がありますが、今回描き終えたような大きな絵のときは、とてもゆっくり、しばしば全然進んでいないように見えるときもあります。

上の写真は、描き始めたころ、8月に撮った写真でここまで3か月かかりました。

描画方法は、線や短い不規則な曲線、碁盤の目のように線が交差したパターンといった細かいマークを積み重ねていきます。

表現しようとしている絵のフィーリングを表すためです。

わたしは、左上から右下へと描いていきます。

主に鉛筆の線を汚さないためという現実的な理由からですが、それだけではなく、画用紙から絵があらわれてくるのを見ているような感覚になんだか夢中になるようなところもあります。

ときどき、絵が成長していくのを見守っているだけで何もしていないような気分になるときさえあるのです。

工房よりダイニングテーブルで描くほうが多いです。

その空間と光が好きだからというのもあるし、ピースフルなひとときにちょっと描いて工房に戻ることができるからということも、紅茶を淹れているの待っている間や子どもたちが幸せそうに遊んでいるのを見ながら、光が消えゆく前、子どもたちの就寝後の20分に描くこともあります。

描くのにゾーン入る必要はなく、何時間もずっとひとりの時間が必要ということもありません、とても簡単にスイッチを切り替えることができます。

実際は、どんなときでも頭の中で絵を描いている状態ですが、手は日常的な他の作業で忙しいですね。

この絵でもう少し描き進めているのは、もっとシダに取り組もうとしているからです。

シダは本当に描いていて非常に面白い!

木々のからみあったところが最も複雑で細かな部分になると思っていましたが、シダを描くのに大変時間がかかりました。

面白さゆっくり!

ときどき、この大きさの絵を描くとき、ただある大きな部分を描くことだったり、あるエリアのところを描き埋めているだけの進捗にみえますが、描きながら、自分自身をより良く、より深く掘り下げようと努めています。

しばしば、写真から絵を描くことがあるかどうかと、聞かれることがありますが、即答でイエス、特に大きな細かな絵の場合はそうです。

基準点として数枚の写真を印刷することが多いです。

今回の絵のために4枚の異なるイメージがあったと思います。

そして、感じたことや雰囲気は、記憶やスケッチブックを頼りにしています。

9月ごろの進捗の写真。

9月の工房は、カレンダー発売月のため、みんなで力を合わせて注文処理をするため、とんでもなく忙しい月です。

しかし、今年は、カレンダーの入荷が遅れました。

紙を生産する工場が2か月休業したことが原因です。

入荷を待っている間の2週間は、不思議なくらい静かでした。

大きな絵を描くチャンスを与えられ、どのような感じで出来上がるか、この頃には分かってきていたような気がします。

平和な世界、木々の場所、枝や空、シダにすっぽりくるまれて、シンプルな、安全な、ハッピーなものを描いているように感じていました。

わたしが、ここ数年、描いている大きな絵について、選んでいるほとんどのテーマが、この種のもの、すなわち、安全な場所をつくる、だったことに気づきました。

怖ろしくもあり、予測できない世界への感情、そのリアクションだと思います。

半分ほど描き終えたころ、インスタでつながった人と未完成の絵にある魅力みたいなものについて興味深い会話がありました。

描き終えていない余白について、わたしたちみんなの脳がいっしょにそのイメージや空間を埋めるための創造をするチャンスになるのではないか、というものでした。

その考えも良いと思い、ここでおしまいにしようかとも思いました。

でも、わたしの脳はそれを許してくれませんでした!

上の写真から、実際、まだ数時間くらい描き続けます。

このとき11月でした。

もうすぐです!

右下コーナーをあせらないように自分に言い聞かせなければなりません。

鉛筆での作業は終わりました!

色付けはいつもストレスフルなひとときです。

鉛筆描きのグレースケールにいつも魅力を感じているのですが、オリジナルのアイデアはカラーなので、葉っぱと空に小さな色付けをしました。

水彩絵の具を使いますが、だいたい鉛筆画が透けて見えるので、必要であれば色鉛筆で濃くします。

すてきな年末へ、大きな絵が描き終わり、静かな1月を迎え、新しいプロジェクトへ向かいます。

AIが数秒でイメージを作る世の中で、手と鉛筆、紙を使って数か月もかかるやり方を選ぶことは、小さな抗議のように感じます。

描き終えた絵をスキャンし、限定版を販売します(印刷の美しさには満足しています。オリジナルより少しインク濃いめです)

もちろん、オリジナルの原画は、5月のアンクラムでのアート展で額装してお持ちいたします。

使用した画材:

Surface – Daler-Rowney Line & Wash Watercolour Board 水彩画用画用紙(質感が好きなので裏面に描いています)

鉛筆 ぺんてる0.5シャーペン、HB

水彩画絵の具 Schminke(あまりこだわりはありません)

色鉛筆 Caran d’Ache Luminance カランダッシュ ルミナンス

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