イギリスでサイダーというと、炭酸飲料ではなくて「りんご酒」のこと。
りんごのきりっとした酸味が爽やかで、パブに行くとつい頼んでしまいます。
私は辛口のStrong bowが好きなのですが、これはたいていの店に置いてあり、スーパーでも缶入りのものを買うことができます。
英国南西部・デボンを旅したときのこと。
この地方はサイダーの産地で、手作りのサイダーが味わえるというのです。
これは一度は試さなければ!とサイダー・ファームを探しました。
そして見つけたのが、プラスティック製の大きなタンクのような容器に詰められた、褐色のサイダー。
ラベルには「Scrumpy(スクランピー)」と書かれていました。
早速購入して、その日に泊まるB&Bに持ち込みました。
B&B(ベッド&ブレックファースト)は、名前のとおり朝食を提供する宿なのですが、カントリーサイドのB&Bでは事前に頼めば夕食を出してくれる所もあります。
私たちが泊まった所も、近くにパブやレストランが無かったので、夕食付にしてもらいました。
夕食時、楽しみにしていたサイダーで乾杯しようとふたを開けたら・・・想像とは違う、刺激的なにおいが漂ってきました。
グラスに注ぐと、その色はやや濁った茶色で、ほとんど泡はたちません。
勇気を出してぐいっと飲むと、口の中に酸味と刺激臭が広がり、何とも言えない強烈な味わい!
濃いめのリンゴジュースのような味を創造していたのですが、まったく違う、ちょっと言葉では言い表せないような初めての味でした。
慣れてくると飲めるのですが、それでもたくさんは飲めない。ふだんお酒を飲み残すことは無いのですが、この時ばかりは、ちびちびと飲み、持て余してしまいました。
このB&Bの夕食は、ホームメイドで美味しかったように思うのですが、何が出たのかも覚えていないくらい、強烈なスクランピーの味でした。
後日、英国人の友人から「スクランピー」はとても強いサイダーで有名だと聞きました。
友人によると「サイダーを飲むと頭痛がする」ので、あまり飲みすぎないようにしているそうです。
タンク入りのスクランピーを全部飲み干さなかったのは、その後の旅を考えると、正解だったのかもしれません。

さて、旅のあいだ、パブでもローカル・サイダーを試してみました。
色は同じような濁った茶色をしていましたが、りんごが凝縮されたような果実味豊かな味わいで、とてもおいしかったです。
クラフトサイダーは、作り手により味が違うのかもしれません。
(ちなみにアルコール度数は高かったので、美味しくても飲みすぎには注意が必要です)
また南西部を訪れるときには、ぜひ、ローカル・サイダーを飲もう。
懲りない私は、心に決めるのでした。




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